私の投稿記事にたびたび名前が出てくるDr. ビーチですが、実は昨年10月29日に他界されていました。

享年90歳だったそうです。

遺族の意向で葬儀は近親者のみで執り行われており、その逝去の報告も一部の関係者を除いて門下生のほとんどに伏せられる程の徹底ぶりでした。

その後、師走に入る頃にビーチ先生の死が公表され、本日大阪で先生を偲ぶ会が催されましたので父と共に行ってきました。

 

改めて紹介しますがDr. ビーチことダリル・レイモンド・ビーチ先生は当診療で取り入れている患者が横になる診療=水平診療を開発したパイオニア。

その最たる目的は地球の重力に逆らうことなく術者を自然な体制に保ち、治療の際無理な力がかからないようにするということ。

負担がかからないということは精密な操作がよりやり易くなるということであり、その結果治療の質も向上するという信念に基づいています。

水平診療でない場合、狭い口の中を覗いて診療するとどうしても無理な姿勢をとることが多く、歯科医にとって腰痛は避けて通れない持病のようなものです(*_*)

実際私の同期にも無理な体制で診療を続けた結果、腰を痛めた者が大勢います。

なれば水平診療に切り替えればいいのですが、そのためにはミラーを使って診療する技術が必須で、それを身に付けるにあたり、ある程度の時間と困難が伴うことや、診療台や周囲の機材、間取りに至るまで設備を根本的に変える必要があり、そのためにはどうしても費用が掛かるため、これが全国的にどうしても少数派にならざるをえない理由の一つでもありました。

ですが私の場合、父が開業時から水平診療で行っていたお陰で始めからそのやり方で取り組むことが出来たので、現在に至るまで全く腰痛の苦しみを経験せずに済んでいます。

本日の偲ぶ会にはビーチ先生門下の先生が大勢来られました。

歯科の世界では少数派といっても百人以上は確実です。

もちろん全員を知っている訳ではありませんが、何人かの先生とは旧交を暖めることが出来ました。

偲ぶ会とはいってもビーチ先生自身がしめやかな雰囲気が嫌いでしたので、内実は同窓会のような立食パーティー。

いつものように?食べまくったのでちょっとどころかかなり苦しいです(^_^;)
ちなみに、会う人会う人にほぼ確実に聞かれたのが山口の銘酒「獺祭」。

改めて獺祭ブランドの力を思い知りましたが、山口はそれ以外にも「東洋美人」「五橋」「金冠黒松」と旨い銘酒があることを伝えておきました。

 

最後に、亡くなった故人もアメリカ人でしたが、熱燗を好んでいたそうです。