意外に思われるかもしれませんが、筆は歯科診療の道具としてよく使われます。

主な出番は診療によく使われる材料でレジンと呼ばれる速固性のプラスチックを扱う時(液体と粉末を混ぜると固まります)。

これを用いて仮り歯の創製や入れ歯の修理、時にはぐらつく歯を一時的に固定する等に使うわけですが、その際にレジンを築盛するのに非常に筆が重宝します。

 

その筆なのですが、当医院では上二本のように買った筆を、下二本のように改造して使っています。

KIMG3912[1]

こうして角度をつけることで、操作が非常にやり易く、特に狭くて死角が多い口の中で操作をする必要がある時などに威力を発揮します。

 

ただ、この改造筆は私のオリジナルではなく、元々大阪で修行していた診療所で使われていたものでした(もっともその院長が考案したものかどうかは知りませんが)。

それをこちらに戻った際、取り入れたというわけです。

 

実を言えば、この筆の改造も向こうではやったことがなく、スタッフの方が作ったものを使用していました。

もちろんこちらに戻ってからは自作しなければならなかったのですが、幸いこちらにも技巧室はあり、そこにある道具で(最初は見よう見まね、というより現物がなかったので記憶を手繰り寄せて)簡単に作ることが出来ました。

 

改造筆は父も評価してくれまして、現在当診療所にはなくてはならない道具となっています。

ただ、唯一の問題としては、この改造を出来るのが私一人だということ。

まあ、私が持ち込んだのですから当然なのですが、だれか作ってくれたら楽なのにな・・・と思ったりしますf(^_^)