6月4日の虫歯予防デーから始まる1週間は歯と口の健康週間、かつては歯の衛生週間とも言われていました。

この期間の間、学校で歯に関する何らかの行事を経験した方も多いと思います。

その一環の範疇におそらく入るのではないかと思いますが、今日の午前中、私が校医を担当している厚南小学校で1年生を対象にした歯磨き指導を行ってきました。

この歯磨き指導、厚南小には私を含めてもう一人校医の歯科医師がいらっしゃいますが、隔年で受け持ちしており、今年が私の番。

ついでに言いますれば校医を担当したのが昨年からでしたから、これが私にとって今回初めての歯磨き指導となります。

歯科衛生士専門学校で講師を務めた際に何度も投稿しましたが、大勢の前で講演をするのは正直得意な話ではない。

確かに経験はゼロではありませんが、今度は小学1年生が対象で勝手が違うのは明らかでしたからどうしたものかと内心かなり前から意識はしていました。

 

それでもガチガチに追い詰められるほど焦らなかったのはこういった時に使うスライドがあったから。

元々は数年前、東岐波小の担当医である父が今回の私と同じように1年生の歯磨き指導を父が行う際、父に言われて(というかほぼ命令されて)私が作った代物です。

もちろん内容は1年生向けにしてありますが、それが月日が巡ってまさか自分の役に立つとは思ってもみませんでした。

本当に人生とは何がどう巡り会うかわからないものです。

 

1学年だけとはいえ、100人以上いましたから会場は体育館で、私の作ったスライドも大型スクリーンに映される形となりました。

準備が整った頃、1年生が入ってきたのですが、やはり小さくてかわいい。

歯科検診の際と同様、息子もあと5年もすればこうなるといらん妄想がまた脳内を駆け巡ります。

しかしそんな幻想も、元気すぎる挨拶の声の前には圧倒されてしまい、あっという間に現実に引き戻されました。

さて、肝心の講義の内容ですが、事前にいろいろシミュレートしていたものの、やはり始まるとその通りにはいかないもの。

あまりつっかえるようなことはしなかったと思いますが、内心ではここはこういう段取りで進めるつもりだったのに間違えた、と焦りまくりです。

ですが口腔内細菌を移した動画を持って行ったのは正解でした。

大人になった今の立場からは信じられませんでしたが、虫歯菌は手足が生えていて槍を持っているイメージを持っている子が多く、目に見えないほど小さいと知っていてもそれほど気にしていない子ばかりで、それを視覚に訴える手法は効果が高かったみたいです。

そして衛生士専門学校の講義では大多数の学生が寝てしまったのですが、今回の1年生はみんな私の方に集中してくれていました。

もっとも私が話を進めるたびに反応して大騒ぎして、それで何度も先生から静かにするよう注意を受けていましたから、別の意味で話を聞いてくれたかどうか、かなり怪しい状況ではあります・・・f(^_^;)

 

一番気になっていたのは時間通り終わらせることが出来るかどうかでしたが、これが何故かちょうどいい頃合いに切り上げることが出来ました。

最後に私が話した内容の概略を養護教諭が生徒に話してくれましたが、それがまたうまくまとめられててわかりやすく、私いらなかったんじゃないかと・・・。

ま、それは冗談としてさすがに本職、言いたかったことを伝えてくれましたので大いに助かりました。

 

今回の講演、生徒たちの反応がとてもよかったからか、途中から私自身がどこかで楽しんでいました。

なので終わってみれば肩の荷が下りるかと思いきや、むしろえも言えぬ喪失感の方が大きかったのですから不思議なものです。

とはいえこれで上半期どころか今年1年の大仕事を終えた感があります。

その証拠に診療所に戻ったらどっと疲れが出てきました。