当たり前のことですが、歯科診療所には老若男女様々な方が患者さんとしてやって来ます。

こういった不特定多数の方が訪れる医療現場で何といっても怖いものが院内感染。

人の体には沢山の細菌が住み着いており、このため自覚症状有る無しに関わらず、病原体に罹っている患者さんも中にはいらっしゃいます。

そうでなくとも医療現場は体調の衰えた人が来るところであり、治療の過程で出血もあるとすればそこから細菌も入りやすくなります。

これはもちろん治療を施す術者も例外ではなく、さらには術者がある特定の病原体を持っている患者さんから別の患者さんに病気を移してしまうことも考えられるため、そうなると一番厄介な存在でもあるわけです。

そういった事態を引き起こさないために、当医院では治療器具は基本的に全部滅菌し(というかこれが医療現場では当たり前)、それが不可能な場合には使い捨ての機材を用いて患者さんごとに新品を使うよう配慮しています。

 

ちなみに滅菌に似たような言葉として消毒、殺菌がありますが、それぞれの違いは

消毒・・・病原性のある微生物を害のない程度に減らすことであり、必ずしも菌を殺す必要はない。

殺菌・・・文字通り菌を殺すことであるが、全てを死滅させるという意味ではなく一部でも殺せば殺菌となる。

滅菌・・・有害無害を問わず、全ての微生物を死滅させること。

となります。

 

当医院では滅菌にはオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)を用いて処理していました。

ところが、ここ最近になって上の写真のオートクレーブの調子がおかしくなり、滅菌に必要な温度まで上がらなくなってしまいました。

まあ、診療所が出来てからほぼ30年、ずっと最前線で使っていましたから無理もありません(-_-)

幸い当医院にはもう一つオートクレーブがあるため、診療自体に滞りはなかったのですが、それでも前述のに比べると容量が小さいため、さすがに効率がいいものではありませんでした。

 

そこで今回、思いきって新しいオートクレーブを購入しました。

今回の購入にあたって、出来れば旧型とほとんど変わらない大きさを望んでいたのですが、残念ながら同型のものはなし。

なので今回新しく購入した新型は旧型と比べ、若干大きくなってしまいました。

しかしそれ以上に滅菌するための内部スペースが広くなり、これまでよりも多くの器具を一度に滅菌できるようになっています。

さっそく使ってみましたが、スタッフからの評価も上々。

これから約30年は、現役で頑張ってもらおうと思っています。